今生きるということ

 再開した劇場での感染が報じられる中、舞台をふたつほど観た。多分この先もできる限り観る。しかし私が感染していたらどうなるのだろう。今の東京で感染はおそらくそれほど珍しいことではない。どれだけ努力してもきっとかかるときはかかる。そういう世界で生きている。だからこそ努力をするべきで、本当はやっぱり外出すべきではないのかもしれない。身動きの取れない世界の中で、どうするのが正解なのか答えは出ない。

 人と接触するということについても、改めて考えている。そして私を含めいろんな人が少し抗鬱症状にあって、それは世界がしんどいということに他ならないのだろう。これで生殖や繁殖でもしていればまた思いは違うかもしれない。ゆるやかな希死念慮。あえて生殖や繁殖という言葉を使っています。

 気候もつらいけど、とりあえず生きていこう。働こう。考えよう。

『朗読 蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く』

 つかこうへい没後10年。自粛前の紀伊國屋ホールで『熱海殺人事件』を観て、解禁後の『朗読 蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く』でした。(公式サイト)これは共犯で確信犯だという舞台。まあそりゃそうですよ、紀伊國屋ホールでつかこうへいで岡村さんですから。客席は当然1席飛ばし、体温チェックに手の消毒で、みんなマスクをしている。

 つかこうへいはいつ演じられても同時代性があるのだろう。そして観る者の琴線に触れる。あまりに個人的な思いを登場人物に重ねてしまう。時代性ということでいえば、意識的にルリ子の病気の話はスポットを当てていたように思うが、単純にスポットが当たっていると思っただけかもしれない。その中でこのタイミングで戯曲にヤスの出身地として(先日水害があったばかりの)人吉と入ってくるところはなんかもうほんとすごいなあと思ってしまった。もともとの設定が人吉なんだもんなあ。

 帰宅して文藝別冊のつかこうへいの年譜などを確認しつつ、戯曲を確認してぼんやりとつかこうへいと『蒲田行進曲』に思いを馳せる。

つかこうへい (文藝別冊)

つかこうへい (文藝別冊)

  • 発売日: 2011/01/21
  • メディア: ムック
 

 私が錦織一清・草彅剛・小西真奈美の『蒲田行進曲』を観たのはもう20年近く前のこと。その後佐藤アツヒロが加わっているバージョンも、錦織一清風間俊介のバージョンも観ている。それが物心ついてからのつかこうへいとの出会いで、いろいろあってまた最近つかこうへいを観ているわけだけれども、演出の岡村さんが言うように、あまり『蒲田行進曲』は演じられないらしい。だからすごく久しぶりにちゃんと『蒲田行進曲』を観た。いや『銀ちゃんが逝く』だけども。『熱海殺人事件』より『蒲田行進曲』の銀ちゃんとヤスの関係が圧倒的に好きで、胸をつかれる。ヤスであり銀ちゃんであるアイドルタレント役者、板の上あるいは画面の向こうにいる者たちよ。『銀ちゃんが、逝く』と『銀ちゃんが、いく』と『銀ちゃんが逝く』の句読点にも思いを馳せてしまう。とんねるずふたりのヤスと銀ちゃんが世の中に存在するのってすごいよねえ。私は推しに『蒲田行進曲』をやってもらいたいタイプです。君は銀ちゃんでヤスだ。どうでもいいけど、文藝別冊で平田満さんが語るつかこうへいが銀ちゃんで平田さんがヤスみたいなのすごいです。

 しかしこのままだと『天国の本屋』でも観た井上小百合さんが今年1番見た役者さんになってしまうのではなかろうか。乃木坂からシス・カンパニーかあ。素敵な役者さんだ。

『日本文学の旅』

 再開後初めての観劇は『日本文学の旅』(公式サイト)でした。A.B.C-Zの橋本良亮くんと新納慎也さん主演、上演台本/演出は鈴木勝秀さんの朗読劇です。毎度のことながらネタバレとか配慮してないのでよろしくな。

 このコロナ禍の中で発表も発売もあって、心がなかなか動かずにいたんですけど、エイヤっとチケットを取っていってきました。当日まで本当にやるのかどうか不安だったんですけど、会場のよみうり大手町ホールは、徹底したソーシャルディスタンスで、対策されておりました。靴裏の消毒したのは初めてだったな。

 さて演劇とは時代を映すものだと言いますが、このお芝居もまさにそうで、今見ることに意味がある、そういう舞台でした。

 物語は司書(橋本)と読書家(新納)の会話と日本文学の朗読で進んでいきます。(※公式サイトに司書と読書家って書いてあるけど実際はなんかふんわり違った設定だった気がしますが!)『古事記』から始まって『源氏物語』(与謝野晶子版)、『枕草子』、『万葉集』、そして『平家物語』……とにかくみんなが知ってるというか授業で習った日本文学がいっぱい。

 ふたりが『万葉集』というか、百人一首を読み上げるあたりから『平家物語』の流れで、これらが声を出して読まれるための文章だ、ということが提示されるんですね。『平家物語』なんてまさにそうですよね。

 この口に出して読むための文章というものに関しては、私が去年同じくよみうり大手町ホールで観た鈴勝さんが作演出だった『BLANK! 〜近松門左衛門 空白の十年〜』の時にものすごく感銘を受けたんですよ。

劇中で「この世のなごり、夜もなごり、死にに行く身をたとふれば、あだしが原の道の霜、一足づゝに消えて行く、夢の夢こそあはれなれ」を近松がやるんですけど、あまりに美しく素晴らしいセリフに胸が苦しくなってしまった。今まで名文だなとは思っていたんですけど、こんなにすごいセリフだとは。セリフとして書かれてるから当たり前なんですけど。このセリフを聞けただけで価値がある舞台だった。

7-9月の観劇メモ - しあわせなじかん、とか

  ぐだぐだ言うなら朗読劇が経験上あんまり好きじゃないんですよね。あくまで比較級の話なんですけど、どうしてかなあって考えたときに、私はやっぱり舞台で身体を見たいんだと思うんですよ。いや朗読も身体ではあるのですが、歌ったり踊ったり動いたりを観るのが好きなので。そんなことを考えながら以前の舞台も思い出しつつ見ている私は、前回同様朗読ということで明示される文体そのものに潜む身体性というものにため息をつくわけです。『平家物語』のあとに当然『曽根崎心中』もやってくれます。さいっこう。

 古典文学っておそらく同時代のほとんどの人にとって識字の話から考えても「読む」ものじゃなくて「聞く」ものだった。それは日本文学に限った話じゃなく、多分海外でもそうでしょう。少なくとも私は「読」みすぎていて、つい忘れてしまう。声に出して読むのではなく、目で読んでしまう。そして目で読んだときに心地のよい文章と、耳で聞いたとき、口に出したときに心地のよい文章は違う。小説と脚本の違いとでもいいましょうか、そういうものを古典文学は朗読されたときにものすごい勢いでばーんと見せつけてくる。劇中で江戸時代をざっくり俳諧でまとめてるのも声に出して読む(そして我々は聞く)ためだったのかなあと。江戸時代の文学は識字率も高くすでに割と「目で読む」ものが多いしね。

 とはいえこうなっちゃうか~と思いながら観てたのは、役者同士が距離を取る舞台上のソーシャルディスタンスの様子とかで。あとは『風姿花伝』の役者心得というか、非常に残酷なアイドルがアイドルたらしめる理由をアイドルである橋本くんが、自分をアンサンブル出身ですと言って憚らない新納さんに読み聞かせて、新納さんがショックを受ける、メタな要素にちょっと違和感を感じたりしてたんですが!

 近代文学パートから怒濤! 怒濤です! 一気に来た!!!! 同時代性!!! そしてメタは伏線だった~!

 まず夏目漱石をみんなが知っている文学なんかでは終わらせない! 朗読されるのは『私の個人主義』!! 夏目漱石の講演会の書き起こしです。紙の上に印刷された文章ではなく、聞かれるための文章が朗読される。その上セレクトはこのあたりのパート!

ある人は今の日本はどうしても国家主義でなければ立ち行かないように云いふらしまたそう考えています。しかも個人主義なるものを蹂躙しなければ国家が亡びるような事を唱道するものも少なくはありません。けれどもそんな馬鹿気たはずはけっしてありようがないのです。事実私共は国家主義でもあり、世界主義でもあり、同時にまた個人主義でもあるのであります。

夏目漱石 『私の個人主義』(青空文庫)

 や、やられた~! そしてそこからなぜか違和感さえある正岡子規の話に行くんですが(ここまで作家同士の人間関係とかほとんど触れてきてない)、それもこれを読みたかったからですよね~! と読まれるのがここ!

正岡さんは肺病だそうだから伝染するといけないおよしなさいと頻りにいう。僕も多少気味が悪かった。けれども断わらんでもいいと、かまわずに置く。

夏目漱石 『正岡子規』(青空文庫)

 ウグッってなってしまった。これソーシャルディスタンスの話じゃん! そして女流作家与謝野晶子の話から、女流って言い草も失礼よね、でも男性社会だったから、というところで冒頭に戻して日本文学最高の物語は『源氏物語』で女性が書いてるし! 現代語訳の与謝野晶子最高だし! と戻しつつ現代の女性差別の問題を織り交ぜて、さあ与謝野晶子なにを読む!? てとこで私斜に構えて「おいおい『君死にたまふことなかれ』とか来ちゃうのか~」ってなってたら読まれるのが『みだれ髪』。ギャフン。完全にギャフンってなったね。最高じゃん。

 そんでさ~!!!!! 『蟹工船』が始まるんですよ!

「おい地獄さ行ぐんだで!」
 二人はデッキの手すりに寄りかかって、蝸牛が背のびをしたように延びて、海を抱え込んでいる函館の街を見ていた。

小林多喜二 『蟹工船』(青空文庫)

 一言目の芝居!! セリフ!! 鳥肌。

 そしてここから焚書の話になって、言論統制の話になって、このへんからもう泣いちゃったのでよく覚えてない。私は『蟹工船』のことを思う時、戦前帝国劇場でこの演目が演じられたことをきっかけに多喜二が特高に目をつけられたということをどうしても思い出してしまうのです。

 そして美しくアヴェマリアが歌われ―――。

 今観るべき芝居であった。よかった。

 そういえば途中で坪内逍遥の『ロミオとジュリエット』差し込まれたのもおもしろかった。確か『R&J』でも鈴勝さん引用されていた。作演出家を追う楽しみってやつですね。あと『源氏物語』で読まれたのが『若紫』で、源氏の君な橋本くんに心の中でキャアキャアしたりしました。若紫の源氏の君完全に犯罪者だけど。なぜあそこを。いや若いハンサムに読ませるならあそこか。そうだ、あそこだな。『平家物語』は『敦盛』でした。橋本くんの舞台はいい舞台が多いなあ。

 ところでこの文章は一切メモを取らず本当に記憶だけで書いているので、そりゃ私はちょっと頭がおかしいし、お芝居観たあとにグッタリするに決まっているし、間違いあったらごめんなさい。(※追記:Twitterなどによるとラストに太宰読まれたみたいなんですけど、マジで記憶にないので、私が本当に『蟹工船』で吹っ飛んでる……。ええええ? それめちゃくちゃ観たいじゃん……。逆にほぼラストシーンなのにここまで感想書いておいて吹っ飛んでまったく覚えてないのやばい)

 しかしこないだの河合くんの舞台もそうだったけど、朗読された作品のことわかんないと全然つまんない気がするなこれな……。いやそもそもそうなると本当にマジで考えずに感じるのが圧倒的に正しい。

 考えるな、感じろ。Don't think! Feel!

 まあ観た人が好きに解釈すればいいだけなんですけど。観た舞台の感想に意味などないと言っていたのは誰だったか。それでも私は書いてしまうよ、私の感じたことを考えたことを。君はどうだい?

【2020/06/11-06/16】アラフィフ!!!

 観劇がまあまあ趣味だった私なんですけど、いくつかの再開のお知らせになんとなくチケットを取る気力がなくて、ぼんやりしてしまう。そもそもチケット取るのがあまり得意ではないタイプのおたくなんだけど。この気力のないかんじはやばいなあと思っていて、でもなんかしんどいんだよね。払い戻しとか考えると悲しくなっちゃう。

[6/11]
 契約関連のやりとりをしていると、なんだか社長っぽいなと思う。普段は全然社長っぽくない。そしてもっと勉強しておけばよかったと思う。めちゃくちゃ苦手である。でももっと広がっていきたいのだ。知らない世界を見たい。勉強するしかないかあ。現場に立ち続けていたい人生だけど、現場じゃないところにもだいぶ需要があるよな、という年齢です。

[6/12]
 オンライン授業をしてから、仕事して、夜はお寿司屋さんに行った。自分たちの予防策がどこまで正しいのかわかんないと思いながらそれでも楽しい時間。こういう食事会で会う私より少しだけ年上のおねえさんたちは、独身既婚問わず大体きれいでかっこいい。酔っ払ったり迷ったりしていても、そういう年の重ね方をしたいなって思う。でも私たちロスジェネ世代だから、そもそもちょっと年上の人たちと過ごしてきた時間が全然違うんだよなとも思う。貧しい世代の私たち。私たちより年下の人たちが私たちみたいな目にあわないといいなと思うけれど、そんな力もなく絶望している世代。

[6/13]
 新しい布団が来た。クロの最期は私の布団の上だったので、布団もいろんな意味で死んでしまったのでした。その臭う布団にこの梅雨入りの時期1ヶ月寝ていたのかって寝ていました。喪失とかグリーフワークってそういうものでしょう。そもそも10年以上使っていた布団なのでした。にも関わらず実は睡眠障害が5月終わりくらいからすごく改善していて、不思議な気持ち。もちろんごくたまに怖い夢を見て起きるなんてことはあるんだけど、変な風に中途覚醒もしなくなったし、寝入りも悪いということはない。過眠傾向というかんじでもない。割と規則正しい。黒猫が私の眠れないおばけをどこかに連れて行ってくれたのか。ただし生活リズムはあと2時間ほど前倒したいんだけどなかなか前に倒れないので難しい。早く寝ろって話なんだけどさ! それはさておき布団を処分しようと粗大ゴミの申込みをしたら7月でどうしようかと思ったよ。

[6/14]
 ぼんやり日曜日。夕方から雨があがったので、スーパー銭湯にでも行こうかと思ったら予想より全然混んでいたので、普段行かない方面のラーメン屋でごはん食べてお散歩して帰宅。家から割と近いところなのに、のどかな田園風景が広がっていて笑ってしまった。

[6/15]
 誕生日前日なのでご馳走を食べにいった。外食との付き合い方難しいなあ。お仕事でおつきあいのある会社さんに感染者が出たということで、ほんのちょっとだけ手配でバタバタ。本当にどうやって生活していくべきなのかいまいちわからない。

[6/16]
 年を重ねました。例年割と大人数で祝っていただいていたんですけど今年はそれもならず、地元で妹とふたりおいしいごはんをいただきました。なんとか生き延びていくのが目標です。あとダイエットだな。ダイエット! というか健康! いやそういうお年頃だとは思うんですけどね、努力が必要ですよね。あと体力が欲しいよね。

 昼間仕事の荷物受け渡しで久しぶりに弊社スタッフに会う。私個人はオンラインで週1回は会っていたのでそれほど変なかんじはしなかったのだけど、スタッフはどうだったんだろう。

 いい誕生日でした。よき一年になりますように。

【2020/06/05-06/10】2ヶ月ぶりの電車!

 この1週間で2回電車に乗って外食したけれど、これが正しいのか正しくないのか全然わからないし、本当はもっと自粛しないといけないのかもしれないし、STAY HOMEであるべきだし、でも大好きなお店には顔を出したいし、友達にも会いたいし、暇じゃないし、カーテンもないし。結局どうやって密集密閉密接を避けていくかってことなんだけど、新しい生活にまだ迷っている。

[6/5]
 オンライン授業してから2ヶ月ぶりに電車に乗って、2ヶ月半ぶりに美容院で髪を切って、そのあと銀座でお寿司。どっちも久しぶりだよ、会いたかったよという気持ち。お寿司おいしかった! 金曜夜の銀座の人出はまったく戻っておらず、それでも営業しているからには、注意を払いながら外出していきたい。そして豊かな食生活は心を豊かにしてくれる。豊かな生活とはお金があることではなく、文化的に満たされているということだ。豊かな食事はエンターテインメントによく似ている。休業要請をされた職業ってそういうことなんだよね。

[6/6]
 BLMの流れで年下の友人が「日本というみんな肌の色が同じ国」という発言をしていて、それはちょっと違うのではないか、という指摘をしてしまった。言いたいことはわかるんだけど、それは違う。この国の問題はみんなが同じ肌の色をしている的な勘違いに基づいていることが多い。確かに海外に比べれば人種という意味での多様性はやや薄れるが、それでも多種多様の人がこの国にもいる。過去を遡れば、アイヌ琉球の問題だってある。単一民族国家とか民度とか、そういう言葉を聞いているだけで気が滅入るが、それはレイシズムや差別に繋がる。とはいえその友人が普段からレイシズムに反発している発言をしていなかったら、そのままスルーしていた気もする。説明したらちゃんとわかってくれてよかった。確かにこの国にいると9割以上の人が同じ肌の色をしているように見えるからね。

 夜はおともだちがおうちに来て、お取り寄せの宮崎牛ですき焼きの会。みんなで会って話をして、おいしいごはんを食べられるのもうれしい。密集密閉密接に気をつけてコミュニケーションをとっていきたい。

 涼しいマスクが届いたんだけど確かに涼しかった。でも通気性はそんなによくない。マスクをまじめにつけて外出してしばらくすると口の周りかゆかゆになるので、社会生活に向いてない。花粉症の時期も同じこと思ってたけど、今いろんな人がちゃんとマスクしてるから私にもできるはず……って私普通の人ができることが割とできないということを思い出す。

[6/7]
 おともだちがおうちにそのまま泊まって、お昼でも食べるか~と公園に行ってビールとコンビニごはん。妹も合流して太陽の下でゴロゴロ。愉快だったな。実はピクニックって真夏の盛りは暑くてできないので、梅雨入り前のほんのわずかな期間がベストシーズンなのだ。この季節だけの贅沢。あとは秋かな。

[6/8]
 オンラインヨガと仕事。ヨガはやると確実に調子よくなるんだけど割とめんどくさいのよね。ちゃんと体を整える努力をせねばな……。

[6/9]
 仕事と散歩。ヨガとか散歩とか、ゆるやかに体を動かしてさすがにちょっと痩せたいし体力戻したい。体力維持も仕事のうち。とはいえ散歩とヨガくらいが今の体にはちょうどいい。そういえば5月は禁煙も落ち着いたしちょっと痩せようと思っていたのであったな……痩せるとか痩せないとかいう問題ではない5月を過ごしてしまった。実際は一時的によくないかんじで痩せたんだけど、ちょっと戻してしまった。そういえばおかげさまでタバコをやめて70日を過ぎて、別に体重は増えなかったのでよかったね。でもこの2年で10kg以上太ってるんだわ、わたし。いやほんと太っている途中でなぜ足踏みできないんだ。昔みたいに簡単に痩せられないんですよ! いや昔だって簡単には痩せられなかったけど。せめてあの服が着られる体型に戻したい。

 伊藤詩織さんを誹謗中傷をしていた人の発言から、その昔「おまえの母親のように俺も自殺してやる」って言われたことを思い出して暗澹たる気持ちになった。こういうの交際相手や夫に言われたらDVです。当時はそんな判断できなかったな。それはさておき、この発言、ものすごく鋭利な刃物で悪意を持って傷をつけに来ていることが、かつて投げかけられたことのある言葉だけにものすごくわかって、相手について考えてしまう。一方で誹謗中傷と取れない発言が誹謗中傷とされていたり、そうでなかったり、この問題は本当に難しい。今回の伊藤詩織さんの決断を支持しています。この伊藤詩織さんの決断はテラスハウスの一件に繋がり、そして誹謗中傷してしまう一般の人のことを考えると、このコロナ禍というのに繋がっている気がする。もちろんBLMも。

 政権批判をすることが右とか左とかって話ではない気がするんだけど、そのへんの区分けはもうちょっと勉強したい。右とか左とか最初に言い出したのは誰なのかしら。駆け抜けていく私のメモリアル。

 職業的にも私のような商売の人間は上岡龍太郎が言っていたという「政治家でない以上、青臭いくらいの立場でいい」「左派的」くらいの立ち位置でありたい。そういや大阪の政治の話も小耳に挟むけどどうなんだろうか。大阪と大阪の芸能と政治の話については、吉本興業創業者である吉本せい大阪府議会議員辻阪信次郎の関係に思いを馳せたりしてしまう。昨年月1回大阪で学生たちと触れあって、いくつか感じた東京との違いみたいなものも考える。

[6/10]
 3年くらいスタッフをやらせてもらっていた新宿のVIDEO GAME BAR 16SHOTSが現店舗ではいったん今週で営業終了ということで、他の元スタッフと顔出し。新宿も人が全然いない。

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 お店には懐かしい顔もチラホラ。「前に会った時まだあいつ生きてたよね?」っていう会話をしたんだけど、ほんと死んだ友だちにならないようにしないとなあ。3月に現店舗を閉じなければならないという話は聞いていて、それが移転先も決まってまた再開してくれるということで、非常にうれしい。ちなみに移転クラウドファンディングもやってます。5000円以上支援すると読めるブログが本当におもしろいので、みんな支援するといいと思います。

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【2020/05/30-6/04】Black Lives Matter

 ブルーインパルスの鮮やかさと違和感について考えていたら、アメリミネアポリスを発端とするいろいろからのBlack Lives Matter、なんだこの世界は!

[5/30]
 公園でぼんやりした。どれくらいの外出が許されるのか全然わからない。換気のできない場所で、人が密集しちゃいけないこと、触れあっちゃいけないことはわかっている。となると多分公園でぼんやりするのは大丈夫だ。大木の下で木漏れ日をぼんやり見つめている時の気持ちは虚無的なものにとても近い。瞑想に近いのか。途中から合流した妹撮影の写真を見たら、そのままブッダみたいな人が写真の中にいた。

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[5/31]
 雨の日曜日。オンラインでのイベントに午前中から参加。みんながオンライン開催のためにいろんな工夫をしているのがおもしろい。でもまだまだたりない。フロリダに住む友人があげた暴動の動画に驚愕する。世界が不穏すぎる。そもそも暴動って集会禁止とかそういう問題じゃない。夜は『舞台 KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』をニコ生で。1回だけだったけど観た舞台を振り返って、やっぱりちょっと頭のおかしい舞台だな、となる。いやアニメも頭がおかしいんだけど。

 発売直後はまあまあエゴサをするのだが、その中で多分アメリカ人のおたくが「日本は平和でいいな」的な発言を日本の二次元のえっちな画像つきでしていて、その反論に「おまえのフォローしているおたくだけが日本ではない」的なリプライがつき、さらにその補足リプライとして「日本でもクルド人への警官の暴力に対しデモが起きているし、KHのライターである金巻ともこフェミニストの会話をRTしている」というTweetがあって非常にびっくりしてしまった。そこに自分の名前が並ぶとは思わなかった。ここまで英語のTweetなので、文脈が正しいかも自信があまりないが、確かに私はフェミニストの会話をRTしているしフェミニズム的な発言をしているが、バランスの難しさについて考える。同時にこんな発言はアメリカの状況故だろうし、心が苦しい。本当なら今ごろアメリカはE3だった。エンターテインメントは世界に広がっている。そしてエンターテインメントを楽しむことに言語の壁はあるが、人種の壁はない。レイシズムと人種差別を私は憎んでいる。とはいえ発信の方法については考えてしまうし、人種差別について圧倒的に勉強不足だ。フェミニズムについて勉強が足りているとも思わないし、勉強していないからといって、声をあげるなという話でもないが、バランスが難しい。

[6/1]
 オンラインヨガに参加してから、仕事。銀行と郵便局に行くついでに駅前サイゼリヤで食事。人の座ってはいけないテーブルとかがあって、なるほどなあとなる。一応小さな会社の社長的なことをしているので、月末月初は少しバタバタします。そして6月は決算月でもある……!

[6/2]
 午前中は大阪2年のオンライン講義。初回はオリエンテーション味が強い(去年はみんなでボードゲームをやった)んだけど、どうしよう~と考えて、東京1年がオンラインならではの自己紹介をしてくれたのを思いだし、後半は簡単な即興ビブリオバトル的なことをやってもらった。みんなオンラインの授業が私よりうまい気がする。いやうまいってどういうことだよって気もするけど。ほんと授業のたびに彼らがこれからの未来を作っていくんだなあという思いが強い。大阪の学生たちにリアルで会えるのはいつになるかな、7月はいけるかなあ。ちなみに3月の時点で6月まで大阪出張は無理な気がすると教務に伝えていたのはあながち間違ってなかった。でも7月8月だって全然わからないな。

 あとは普通に働いたけど、頭の働きがいまいち悪い気がする。これは講義の疲れもあるけど、ちょっと抗鬱というかペットロスと季節の変わり目かな。Instagramの過去写真を見て悲しくなっている場合ではない。いやちゃんと悲しまないといけないんだけど。私の5月ってなんだったんだろう。夜更けに後悔して悲しくなる。

 夜東京アラートが発令。なんだよ東京アラートって。赤い都庁はラストダンジョンで、赤いレインボーブリッジはゴールデンゲートブリッジみたいだ。どちらかというとサンフランシスコじゃなくて、サンフランソウキョウの方。

[6/3]
 実はスケジュール組みを完全に間違って、今週は授業が3回あるのでした……。東京1年生が週1回、東京2年生大阪1年生大阪2年生が月1回なんですけど、授業開始が遅れたのとスケジューリングのミスで今週は東京1年、東京2年、大阪1年の授業をすることに……あわわ。東京2年生は2回目なので、自己紹介などではなく、ほとんど通常授業。ちょっと時間の読みが甘かったのもあって結構グッタリ疲れてしまった。体力~! 夜提出予定のお仕事ちょっと待ってもらってしまったのも反省。#BlackoutTuesdayか。

【2020/05/26-29】この愛しきものを

 一応緊急事態宣言が一段落したので、まあまあ一段落なのかなあと思ってblogサボったのですが、そうでもないのかなあ、どうなのかねえ。ゆるやかに続けていきましょうか。あとためない方がいいと思う。

 そうそう、いきなり今日の話ですが、ブルーインパルスにテンションあがった! タイミングの問題もあってちらっと見られただったけど。楽しかったけど、政府のやることとしてはどうなんだろうという疑問は持っていたい。でも楽しかったね! 天気もよかったね! 美しかった。みんなで共通のなにかをオンラインじゃないところで見る、って久しぶりでちょっと元気になってしまった。それもみんなで青い空を見上げてるなんてさ。私は単純だなあ。善意や職業倫理や責任感や義務感や恐怖感やそういうものにまみれながら、疑問を抱きながら、しかし働いているえらくない人たちに感謝しています。本当にありがたいです。まだこの世界を愛しいものだと思うことができる。

 イタリアでもロックダウン解除が進んでいるとの話。2ヶ月前に彼女の記事を同じようにシェアしたとき、彼女は「日本が手遅れにならないように」ということをしきりに言っていて、私は2週間後の我々かと思ったんだけど、幸いにしてそうはならなかった。とはいえこれからだってどうなるかわかんないもんなあ。来年あたりトリノに遊びに行こうと思ってたんだけど、いつ行けるんだろうか。旅行行きたいなあ。

precious.jp

[5/26]
 天気がいまいちですっきりしませんでしたね。雨と低気温ダメです。

[5/27]
 今年初めてというか人生初めてのリモート授業(講師側)。去年も教えていた学生たちなのですが、遠いなあという気持ち。でもがんばっていこう。まだ工夫のしどころはありそう。ところで普段はこの大体週イチの講義でちゃんと起床して生活リズムを維持していたのですが、2月以来久しぶりの朝9時半からのテンションあげていくタイプの活動に血圧あげるの大変だった、笑 通勤って会社までの軽い運動みたいな側面あるじゃないですか。無理矢理起きて駅まで歩いて電車乗ることで目を覚ますというか。授業用のテンションにするためにとりあえず早起きして朝ごはん食べてちょっとストレッチしてから授業に挑んだけど、すこし疲れてしまったなー。

 その後銀行行って2ヶ月ぶりに駅前でラーメン。おいしかった! 外食をどこまで解禁していいのか、カウンターでひとりでごはん食べる分にはそんなに気にする必要はない気がする、早くみんなでわいわいしたいね。でも多分全然油断しちゃダメなんだと思う。という話をその後のリモート打ち合わせでも。ただこのままだと飲食店が死んでしまうのは間違いないので、工夫努力しながら外食したいね。

[5/28]
 単行本発売日。小説で24巻目って考えるとなかなかすごいよな~。ありがたい。お祝いなので、営業再開していた駅前のいきつけのお店に妹と。間隔をとってお客さんをいれていて、本当に大変だなという気持ち。普通に売上下がるもんなあ……。

[5/29]
 本日も朝から授業! 初めて会う1年生たち。毎年初回授業は自己紹介で好きなものの話とかをしてもらうんですけど、オンラインで聞く自己紹介結構おもしろい、というのと、おうちからなので、上手な人は実物をどんどん見せてくれるのもよかったなあ。あと会話の裏でチャットが流れていくのも新鮮でした。2年生の授業は実習メインであんまりそういうかんじじゃなかったので。あとオンライン授業というものに1年生の方が対応してるのかもしれない。こうなると今年の1年生って完全にニュータイプとしての生活を送り始めているので、彼らが10年後どういう世界を構築してくれているのかめちゃくちゃ楽しみ。そしてこの状況の中東京でひとり暮らしを始めた学生の話とか、ほんと心配になってしまう。

 そろそろ積極的に外食していきたいな~とはいえ根が引きこもりなんですよね。あと電車にも2ヶ月乗っていないし。

 本日禁煙60日目を超えましたが、ばっちりタバコ吸いたいです。全然タバコやめられたって気がしないなあ……永久にこの気持ちのままなんだろうか……。タバコ吸いたい。