オーサカ大阪大坂(1)(6/6)

ひとつ前で最近お笑いをよく見ていると書いたが、途中でこれは大阪への理解の旅でもあるな、と思った。この半年弱見ているのはちょうど見取り図が(多分)東京進出をしよう、というタイミングである。全国的に売れ始めているところを追えるのは非常に楽しい。と、同時に大阪ローカル番組や大阪のカルチャー、大阪の街を見ることが以前より増えた。

ところで私は3年ほど月1回大阪のエンタメ系専門学校で講師をしている。この3年で関西と大阪の若者への理解を深めてきたところだった。

講義を始めたばかりの頃、まず関西弁と標準語の差異、そしてなんとなくベースとしている(おたく以外の)カルチャーに戸惑っていた。そして彼らはおそらく、東京というものに恐怖心を抱いている。地方から東京に来る人は大体みんな抱いてはいるのだろうが、東京は冷たいところだとか標準語が冷たく感じるとかそういうぼんやりとした悪印象である。そしてそこに東京から来た現場でバリバリやってる(ハイテンションで変なTシャツを着ている金髪の女)講師という私である。東京下町(母)横浜下町(父)ハイブリッドであるところの私からすれば地方出身の奴が言う東京冷たいとか知らんがな、標準語こわいとか慣れろや、こっちも関西弁ちょっとこわいわ、という気持ちなのだが、実際に彼らはこれから東京で仕事をすることや、東京中心のエンタメビジネスについて質問を投げかけてくる。そりゃそうだ、そしてそれを緩和するためにわざわざ東京から呼ばれて講義をしているんである。そう気づいてからは大体2回目くらいで「私の標準語」という話をする。君ら標準語こわいでしょう、私も方言こわい、ちなみに私の標準語は東京横浜下町ミックスなので、実は標準語とされてるもののなかでも柄が悪い、山手言葉なんか喋ってられるか、私も関西弁の聞き分けがつかない、というと関西のあちこちから来ている彼らは大体理解して盛り上がる。

(続く→オーサカ大阪大坂(2) - しあわせなじかん、とか