社会的強者とは(6/4)

昨日から続くけど、私は自分を社会的強者だと認識している。それは虚勢でもある、と書いたけれど、やっぱり都市部出身で教育を受けることができた女性というのは、恵まれている。家には母の蔵書があり、本に関してはとにかく与えてもらった。その後偏差値の高い中高一貫の私立の女子校に入った。だが私はさまざまな事情(と不勉強だったの)で、学生のうち99%が大学に進学する学校で大学受験をしなかった。ただしそのおかげで19歳でフルタイムの編集部アルバイトに潜り込めて今がある。

しかし同世代は就職氷河期にどんかぶりし、辛酸を舐めてきたのだろうと思うし、実態としてそれは感じる。幸にして友人たちは就職氷河期と言いながらそもそも恵まれていた人が多かったし、大人になってからの友人はITやゲーム業界の人が多く、景気も良く楽しかった。

とはいえ女であることで辛酸を舐めたことはあるし、セクハラは当たり前だったし、編集部にも泊まったし、まあそういう時代だ。

そして色々経て、30代で心を病んだ時期の回復期、私はどうやっても生活リズムが改善できなかったので、毎日朝起きて通勤をする派遣社員となって生活にリセットをかけた。そこにはいろんな人がいた。今でもたまに短期でそこに行けばいいのかなと思うけど、普段の生活だと出会わない人たちが安い時給で働いていた。とはいえものすごいセレブな奥様(多分)から独身のおたく、役者、ミュージシャン、いろんな人たちがいた。大人になってから仕事ではあまり会ってこなかった種類の人たちもいた。暮らし方が全然違う。

地域格差と男女格差、世代格差を一緒に語るのはあやうい。それらが複合している問題なのは事実だが、ひとつひとつを精査して丁寧に書かないときっと伝わらない。だからこの問題はとても難しい。全ての人が幸せになるのは難しいけど、みんながちょっとだけ経済的に豊かになる方法はたぶんあるはずだと信じている。