【2020/05/25】「君たち、人殺しの顔を見たくはないのか」

 胃腸が復活しないまま、届いたいい肉を食べたら、見事におなかを壊しました。でも後悔はないの。おともだちにちょっとだけ会えたのもうれしかった。

 緊急事態宣言が解除されたけど、これからどうなるんだろう。人と人とがまったく触れあわない世界なんてさみしい。

 不安定な世界で、おそらく自死である人物の話(一応死因は非公開になっている)が大きく報道されるのは完全にWHOの自殺対策ガイドラインに完全に反しているが、とはいえひどいことが行われたという事実は報されるべきで、そのバランスが難しい。いやでもやっぱりあんな報道のされ方はダメだと思う。

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 写真週刊誌『FOCUS』の創刊時に編集長である齋藤十一は「君たち、人殺しの顔を見たくはないのか」と言ったとされる。最低な報道、あるいはマスコミのことを考える時、私はいつもこの言葉を思い出す。君たちとは民衆のことで、人殺しの顔を見たい民衆は、中世ヨーロッパで死刑を娯楽にしていた民衆と同じで、民衆とは私も含めて愚かなものだ。そしてマスコミは死体にたかる蝿で、私もその末席にいることがある。印刷技術がマスコミュニケーションを生み出し、フランス革命で大きな役割を果たしたことも思い出す。伝えるとはなにか、なんのために伝えるのか、なんのために暴くのか。

「君たち、人殺しの顔を見たくはないのか」

 批判とはなにか、誹謗中傷とはなにか、違いはどこにあるのか。誹謗中傷を規制することが言論統制にはならないのか。

 一方で売名商売の人間は他の職種の人たちよりも誹謗中傷にさらされる可能性は高く、そうなったときに細々と売名商売をやってきた大人として、自分よりキャリアが若い人たちのケアをしっかりしなければと強く思った。